鏡よ鏡】



おはようございます。


最近、鏡に向かっていて思うことがあります。

「我が家の鏡は私に媚を売っているなぁ」と。


それが証拠に最近、私が我が家の鏡に向かうと、毎回、それなりに

自分が若やいで、いい顔をしているように見えます。


しかし、客観的に見ると事実はそうではないのだろうと思えるのは、

外出して、駅やレストランなどの我が家以外の鏡に向かうと、

70歳の年齢相応の、子供の頃から見慣れた普通の顔をした私が

写っているからです。


だから多分、我が家の鏡は、主人である私に対して媚を売っているのでしょう。


主人である私には日頃から恩があるはずですし、

またその意に沿うような像を見せておかないと、

いつ腹を立てた私に壊されてしまうかもしれないからで、

鏡としても自己防衛上、そうせざるを得ないわけです。


つまり我が家の鏡は私に「忖度」して像を写しているのです。


その点、我が家以外の鏡は、私に対してそのような義理が

あるわけではありませんから、正直にありのままの客観的な事実を写し出す。


それが我が家の鏡とそれ以外の鏡に写る私の像の明らかな違いと

なって表れているのでしょう。


このことは私だけの感覚だけでなく、女房も同じようなことを言っていますから、

多分、多くの人にも共通の現象で、要は

「鏡は自分の主人に忠実に、主人が心で望んでいるような像を見せ、回答しようとしている」

のだと思います。


それは悪いことではない。

いや多分、その方が世の中うまくいく。

逆にそうでないとうまくいかない。


その例として私はディズニーのアニメ映画「白雪姫」を取り上げます。


その中で、魔女で白雪姫の継母の女王が、鏡に向かって、

「鏡よ鏡、世界中で一番美しいのは誰」

と問いかけ、鏡が

「それは女王様、貴方です」

と答える有名なシーンがあります。


女王は毎日鏡に対して同じ問いかけをし、

鏡も同じ回答をしていたため、女王は

「自分がこの世で一番美しい」

と満足の日々を送っていたのですが、

しかし、鏡の回答がある日変わります。


「女王様、貴方は美しい。しかし、白雪姫はもっと美しい」と。


それで白雪姫の美しさを知った女王が白雪姫を亡き者にしようと、

部下にその殺害を命じたり、それがうまくいかないと知ると、

魔法で老婆に化けて自分でわざわざ白雪姫が一緒に暮らす7人の小人達の家に出掛けて、

毒リンゴで白雪姫を殺そうとまでします。


その結果、白雪姫は毒リンゴを口にして死んでしまい、

女王も小人達に追い詰められ、雷に打たれ、崖の底に真っ逆さまに落ち、

岩に押しつぶされて死ぬという散々で悲惨な結末を迎えます。


それもこれも女王の鏡が、正直に

「白雪姫の方が美しい」

と答えたからで、鏡が正直に答えたことは、主人である女王と、

白雪姫含む周囲に、厄災しかもたらさなかったことになります。


毒リンゴを口にして死んだと思われていた白雪姫が、

実は魔法で眠っていただけであり、白雪姫を訪ねてきた王子様の愛のキスを受けて

蘇ったというのは単なる結果論のおとぎ話にすぎない

(現におとぎばなしですが)。


だから、


「鏡は、少なくとも自分の主人には忠実に、主人が心で求めている像を

写し続けている方が、その主人も世の中も平穏で幸せである」


というのが、今回の私の結論なのですが、皆様のご意見はいかがでしょうか。


それではまた。




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