病院経営者育成塾塾長の略歴


           略 歴
1.氏名          豊岡宏(とよおかひろし)
2.所属・職位   日本病院経営支援機構理事長兼病院経営者育成塾塾長
3.最終学歴    東大法学部
4.出身          岡山県津山市
5.生年月日      1951(昭和26)年11月24日
6.職歴
大手鉄鋼会社入社後、製鉄所での職員の労務管理、委託会社の経営管理等の業務を経て、1987(昭和62)年7月から、国連傘下の世界銀行がエジプト・アレキサンドリア市で実施した「新しい製鉄所を建設して、その経営・管理・操業を行い、現地人を教育して引き渡す」海外プロジェクトに従事。帰国後、本社等での全社コスト管理、リストラ・制度設計、経営企画等の業務を経て、2001(平成13)年5月から経営再建のため、鉄鋼会社傘下の企業立病院(400床)に派遣された。
悪戦苦闘の末、4年間で年間5億円の赤字を1億円の黒字に転換することに成功。その時、「病院の経営再建は大変だが、非常な充実感と達成感があり自分の天職」と感じたことから、その後、鉄鋼会社から病院外への異動内示があったのを契機に「病院の経営再建を請け負うプロの事務局長」として脱サラ。大阪の民間病院(1,000床)の経営再建を引き受けて、年間3億円の赤字を2年間で1億円の黒字に転換させた後、2012(平成24)年3月から橋本市民病院(300床)の事務局長に就任した。
橋本市民病院では、地方の中小規模自治体病院ゆえに抱える「①職員定数の制約」「②高コスト体質」「③医師不足」の問題に直面して、当初は経営再建の方策を見出すことが出来ず途方に暮れたが、やがて、「①職員定数の制約」と「②高コスト体質」は「アウトソーシングと業務移管と徹底的なコストダウン」で、また「③医師不足」は「病院独自の医師確保の仕組みを構築すること」で対処。その上で2014(H26年)4月から病院長をヘッドとする経営改革プロジェクトをスタートさせた。
その結果、橋本市民病院は、2013(平成25)年度の3億5,000万円の赤字が2014(平成26)年度は1億1,000万円の黒字に転換し、経営改革2年目の2015(平成27)年度も1億1,000万円の黒字と、2年連続の黒字を計上した。
橋本市民病院で初めて自治体病院の経営再建を手掛けて、「自治体病院は民間病院と比べて補助金や免税で優遇されているが、マネジメント不在と職員の親方日の丸意識から非効率的な病院経営・運営を行っており、その多くで大きな赤字を計上している。しかし公立病院ゆえ潰れることはなく、税金で補填されているから、その分、国と自治体と住民にとって負担となっている。それなら今後、自分の手掛ける病院経営再建の対象は、民間病院より自治体病院を優先しよう」と考えるようになったことから、2016(平成28)年4月から岡山市立総合医療センターの本部事務局長兼岡山市立市民病院事務部長に転出。その3年半の任期中に、経営改革により、平成27年度の新築移転で7.8億円の赤字を計上した岡山市立市民病院(400床)の経常赤字を0.2億円まで縮小させるとともに、権限を持つ「1人事務長」の医療現場配置等によるプロパー事務職員の教育・育成により、岡山市立市民病院の事務職員の100%プロパー化を実現した。
また岡山市立市民病院の経営再建と同時並行で、他の自治体病院の経営再建・改善も引き受けるようになり、2016(H28)年9月から1年半で奈良県立病院機構(3病院・860床)の25億円の赤字の黒字化を、2018(H30)年4月から1年で那覇市立市民病院(470床)の大幅黒字化を、夫々達成した。
2019(令和元)年4月から「次代の病院経営ができる事務長・事務職」の教育・育成に乗り出し、岡山で「病院経営者(事務長)育成塾」をトライアル開催。全国の公私病院から40名の受講者を募って、その過去20年間の経営改革・再建の経験から得られた病院の経営・運営のための具体的実践的なノウハウ・知識・スキルを「病院経営の方法論」として、成功例を引きながら教える「毎月1回・1回1日7時間・1年間12回の研修会」を実施した。
岡山市立市民病院の経営再建に目途がついた2019(令和元)年9月には岡山市立総合医療センターを退職して、翌10月に一般社団法人・日本病院経営支援機構を創設。
その理事長に就任して、全国各地での講演・執筆活動や、病院経営コンサルタント活動に従事する一方、2020(令和2)年4月には東京医科歯科大学大学院非常勤講師にも就任して、その活動を大学院にも広げた。
また岡山での病院経営者(事務長)育成塾の1年間のトライアルが好評だったことを受けて、2020(令和2)年4月から、東京と京都と福岡の3会場で同時に病院経営者(事務長)育成塾をスタートさせ、「事務長等の病院の事務職幹部、経営実務を担当する中堅事務職、看護部長等の他職種経営幹部、医療に関係する企業の幹部」の教育・育成に本格的に乗り出すことにしたが、折りからの新型コロナウィルス感染拡大を受けて、その開始時期を4月から7月に、実施形態を「講師と受講生が一堂に会してのライブ方式」から「夫々の場所からパソコン画面を介して参加するオンライン方式」に夫々変更。
その結果、2020(令和2)年度病院経営者(事務長)育成塾は、全国の病院・医療関係企業から68名の受講者が参加して7月からスタートし、2021(令和3)年3月までに12回の研修会を実施した。
2021(令和3)年度病院経営者(事務長)育成塾も、86名の受講者が参加して4月からスタートしたが、こうした主として事務長を対象にした育成塾に加えて、2023(令和5)年度からは更に、薬剤・放射線・臨床検査・リハビリ・臨床工学の各技師長を対象にした育成塾の立上げも予定している。

7.これまでの主な著作
(1)公営企業(2016年2月号)「先進事例紹介」
橋本市民病院の経営改革(自治体病院の新しい経営改革モデル)
(2)月間「保険診療」(2017年2月~5月号)「こうして医療機関を変えてきた!」
橋本市民病院の経営改革とその後に来るべきもの
(3)季刊監事(2018年4月号)
橋本市民病院の経営改革(自治体病院で最も重要なこと)
(4)全国自治体病院協議会雑誌(2018年12月号)「事務長より一言」
岡山市民病院におけるプロパー事務職員の育成について
(5)医療タイムス(2020年6月8日号)
「アフターコロナの病院経営」
(6)医学書院「病院」(2020年6月号「出来る病院事務長の育て方」特集)
「事務職員の意識改革と次代を担う事務長の育成。
事務職員の100%プロパー化から病院経営者(事務長)育成塾まで」
(7)月刊「保険診療」(2020年11月号)「医療事務Openフォーラム」
病院経営成功のカギを握る「病院経営の出来る事務長」
(8)野村ヘルスケアノート(2020年11月号)
ウィズコロナの時代の病院経営
(9)ヘルシーパートナーズ(2021年1月号)「特集病院経営」
ウィズコロナの病院経営。アフターコロナの時代に向けた抜本的な改革

8.経営コンサルタントとしての現時点の経営改善支援先
(1)山口県萩市&萩市民病院
(2)広島県呉共済病院
(3)熊本県上天草市立上天草総合病院
(4)奈良県宇陀市立病院
(5)千葉県病院局&千葉県立6病院
(6)高知県市町村振興課&高知県の市町村立病院
(7)川崎市立井田病院

9.現在の役職・肩書
(1)一般社団日本病院経営支援機構 理事長
(2)病院経営者(事務長)育成塾 塾長
(3)東京医科歯科大学大学院非常勤講師
(4)総務省・経営財務マネジメント強化事業アドバイザー
(5)千葉県立病院運営検討会議委員&経営改善アドバイザー
(6)山口県萩市アドバイザー
以上

一般社団法人 日本病院経営支援機構